野球の国とベースボールの国 WBCへの姿勢

WBC

ワールドベースボールクラシック(WBC)は、メジャーリーグベースボール(MLB)の機構と選手会によって立ち上げられた組織が主催となって開催されていますが、日本とアメリカの野球界ではこの大会に対する姿勢に差がみられます。

日本のプロ野球の統括組織であるNPBはWBCに対して積極的に協力しており、加盟球団は基本的には代表に選ばれた選手の大会出場を許可しています。そのため、毎回その時点でもっとも優れたプロ野球選手によってチームが結成されており、2006年の第1回大会と2009年の第2回大会ではこの方針が功を奏して優勝をはたしています。

一方で、MLBはNPBと比較して選手の派遣には消極的です。MLBでも選手がWBCに出場するためには在籍しているチームの許可が必要ですが、大会に派遣した選手の中にシーズン中に成績不振に陥った選手が何人も出ていることから、シーズン中のパフォーマンスに影響が出かねないといった理由で積極的に許可を出す球団が少ないのが現状です。また、出場を許可したとしても、大会中に負傷した場合はすぐに代表を離脱して治療に専念させる方針をとっている球団もあります。MLBのビジネスライクな特徴は、国際大会の選手の派遣においてもあらわれています。