プロ野球は収益でベースボールに差がある
現在、日本のNPBに加盟している12球団の総収益は1,500億円前後といわれているのに対し、アメリカのMLBに加盟する30球団の総収益は100億ドル、日本円換算で1兆1,000億円前後となっており、収益面において日本のプロ野球はアメリカのメジャーリーグベースボール(MLB)に大きく差をつけられています。
実は、1990年代半ばまでは、日本のプロ野球の方がメジャーリーグベースボールより多く利益を得ていた時期がありました。しかし、それ以降はNPBは総収入をほとんど増加されられていないのに対し、MLBはどんどん収入を増やしています。収入に大きな差がついた理由には、日本国内の景気が長期停滞していたのに対し、アメリカの国内経済の規模がずっと拡大を続けてきたことや、NPBよりずっと積極的にMLBがビジネスモデルの構築に努めたことなどが考えられます。
リーグ全体の収入だけでなく、球団が得ている収入の面でも、NPBはMLBに水をあけられています。収入の増加が影響を与えるのは所属選手の年俸で、NPB加盟球団の選手だと最高年俸が5億円なのに対し、MLB加盟球団の選手の最高年俸は日本円で40億円を超えており、10億円を超える年俸を得ている選手も複数います。上記のような傾向は、野球固有の特徴ではなく、スポーツビジネス全体で見られるもので、より多くのお金を得るためにアメリカのリーグに参戦するスポーツ選手が跡を絶ちません。