プロ野球とアメリカのベースボールのドラフト制度
日本のプロ野球(NPB)とアメリカのベースボール(MLB)では、同じ野球のリーグであっても制度にさまざまな違いがあります。その違いが最も良くあらわれているものの例としてスポーツ番組などで取り上げられることが多いのが、新規に球団に所属する選手を決めるドラフト制度です。
まず、日本のプロ野球のドラフト制度は、1巡目を入札による抽選によって指名選手を決定し、2巡目からは偶数巡目ではその年の公式戦の順位に基づくウェーバー方式で、奇数巡目では偶数巡目とは逆の順番で選手の指名を行います。指名された選手の総数が120名に達するまで続けられ、120名に満たなかった場合は育成ドラフトを行います。とりわけ注目されるのは1巡目の選手で、近年は多くの選手が契約金1億円、年俸1,500万円が提示されて契約をかわしています。
一方、アメリカのメジャーリーグベースボールのドラフト制度は、ウェーバー方式を厳格に採用した上で実施され、指名人数に制限がなく、好きなだけ選手を指名することができるのが大きな特徴です。アメリカでは多くの学生が複数のスポーツで選手として活動しており、優れた運動能力を持つ選手は複数のプロスポーツチームからドラフトで指名を受けます。MLBの球団から指名されても入団しないケースも多く、各球団はこの点も考慮して1回のドラフトで40~50人程度を指名します。MLBでもNPBと同様に1巡目で指名された選手が大きな注目を集めますが、契約金は600万ドルを超えることが多く、日本の新人選手より大型の契約となっています。